ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~
私はあの二人から逃げて、部屋の隅にうずくまって体を震わせていた。

「望愛、大丈夫かい?」

この声は、慎司さん?
じゃあ、さっき私が跳ね退けたのは、あの二人ではなく、慎司さんだったの?

私は慎司さんを、拒んでしまったんだ…


「ごめんよ。君があんなに嫌がるとは思わなかった。俺が一人でのぼせ上がってたみたいだな?」

慎司さんは悪くない。私だって、慎司さんに抱いてほしかった。それなのに…


「送るから、着替えてくれ」

「お、送る?」

「ああ。また君が嫌がる事を俺はするかもしれない。だから悪いけど、帰ってくれ」

「これから私達は、どうなるの?」

「それは君次第だろ? 君はおそらく俺を本当は好きじゃないんだと思うよ。俺なんか、シスコンの変態だしな。無理しなくていいと思う」

「そ、そんな事は…」

「じゃあ、俺は向こうで着替えるから」

そう言って、慎司さんは私に背を向けた。
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