ツンデレ美女の恋愛事情～新・素敵すぎる上司～

それを聞いても、私はあまりショックは受けなかった。

私が営業のド素人だという事は、誰よりも私自身わかってる事だし。

ただ、阿部慎司が私の異動を快く思ってない事がはっきりしたわけで、それはやっぱり少しショックかもしれない。

また、阿部慎司という人は、上層部の批判とも取られるような発言を、公然としちゃう人なんだという事が分かった。

それはサラリーマンとしてはどうよ、と思うけど、不思議と悪い気はしなかった。


「ごめん、傷付いた？ やっぱり言わない方がよかった？」

私が黙り込んだのは阿部慎司の言葉に傷付いたため、と杉下さんは思ったらしく、私の顔を覗き込むようにしてそう言った。

ちょっと、顔近いから！

「いいえ、大丈夫です。私が営業の素人なのは事実ですから。お二人の足手まといにならないよう、頑張って早く仕事を覚えます」