ツンデレ美女の恋愛事情～新・素敵すぎる上司～

それを聞いて阿部さんは、露骨に嫌な顔をした。

ちなみにお寿司屋さんでも喫茶店でも、４人掛けのテーブルで、私は杉下さんの隣、阿部さんのはす向かいに座っていた。それは杉下さんの誘導であり、要するに杉下さんが望むフォーメーションなのだろうと思う。

「それはなぜなんだ、杉下？」

「だって、佐久間さんには俺が色々と教えてあげる事になりますよね？ だったら、席も隣の方がやりやすいと思いますので…」

「それについてはこれから話そうと思ってたんだが、佐久間さんには俺が教えようと思う」

「え？ どうしてですか？」

私も心の中で『どうして？』と言っていた。

「佐久間さんには短期間で仕事を覚えてもらい、すぐに独り立ちしてほしいんだ」

「はあ。それは分かりますけど…」