ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~
初めての接待
ドサッ

私の机の上に、分厚くて重そうな本が2冊置かれた。置いたのは、阿部さんだ。

「うちの製品のカタログと仕様書だ。手が空いた時に目を通しておいてくれ」

「分かりました」

私は早速カタログの方をペラペラとめくってみた。

多色刷りで色鮮やかで、眺める分には楽しいと言ってもよいぐらいだけど、量が半端ではない。

「いったい、いくつあるんですか?」

「約千ってところだな」

「そんなにあるんですか? 全部覚えないといけないんですか?」

「そうだ」

「………」

私は唖然として声も出なかった。そんなの、絶対に無理!

「それだけじゃダメだぞ。もう片方の仕様書も見て、各製品の特性も頭に入れておけ」

ゲーッ、何言ってんのよ、この人。そんなの無理に決まってんじゃない…!
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