ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~
「ところでさ、そのバッグに何入れてるの? ずいぶん重そうだよね…」

由佳里は私が隣の座席にドスンって感じで置いた黒いショルダーバッグを指差していた。

「ああ、これ? 商品カタログだよ」

本当は『と、仕様書』なんだけど、由佳里が驚きそうだからそこは省略した。

「あの分厚くて重いやつ?」

「うん、そうだよ」

「もしかして、いつも持ち歩いてるとか?」

「そうだけど、何で?」

「何で、はこっちの台詞だよ。何でそんな重いもの持ち歩いてるのよ?」

「商品を全部覚えるために決まってるでしょ? あ、私おでんと肉じゃが頼もうかな」

「全部ってあんた、うちの製品がいくつあるか知ってるの?」
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