ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~
私が意を決して由佳里に秘密を話そうとした時、店員さんがおでんと肉じゃがを持ってきた。

私は店員さんが料理をテーブルに並べるのを見ながら、あの頃の辛かった日々を思い出していた。

友達だった子達の、汚い物を見るような蔑みの目。
下品にニヤつく男の子達の顔。
私を見ては、ヒソヒソ話をする近所の人達。

そして、話し掛けてくれなくなったお父さん…

もう、あんな思いはしたくない。

私は下を向き、唇を噛んで涙が出そうなのを堪えていた。

「ねえねえ、食べる前にさっきの続き話してよ」

「理由なんかないよ。私は昔から男が苦手なの。ただ、それだけ。肉じゃが、美味しそう。いただきま〜す」

「そっか…」

ごめんね、由佳里。
由佳里だったら大丈夫と思うけど、やっぱり、知られたくないの…
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