ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~
「そうかなあ。そんな事、有り得るの? 美男美女の考えは分からないなあ…
いい男といい女が一ヶ月も一緒にいて、何も起こらないなんて…」


おでんの味は普通かな。肉じゃがは結構美味しいけど、この前のイカ大根には負けるなあ、とか考えていたら、

「あ、そうか!」

と、由佳里が大きな声を出した。

「イカ大根?」

「はあ? 違うよ。もしかして、阿部さんって、恋人がいるんじゃないの?」

「さあ…」

「今度、聞いてみなよ?」

「私が? どうして?」

「だって、気になるでしょ?」

「別に…」

「あたしは気になるから、聞いてみて?」

阿部さんにそんな事、聞けるのかなあ…

「ん…あ、そうだ」

私は不意にある事を思い出した。それは、今夜由佳里に話そうと思っていた事だった。

「なになに? やっぱり恋人いるの?」

「そうじゃなくて、明日の夜は接待なんだ…」
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