ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~
「なんだ、あれだけ泣いたのに、まだ涙が出るのか?」

「だって、阿部さんがお父さんみたいだから…」

「おいおい、それはないだろ? 俺はまだ29だぞ」

「そうですよね? うふ」

「お、笑ったな。いい子だ」

阿部さんはニコッと笑って私の頭を撫でてくれた。

阿部さんの笑顔は初めて見たけど、優しくて素敵だった。


その後、阿部さんとタクシーに乗った。阿部さんの家と私のアパートは、方向が同じらしい。

「あの…実は私、覚えてないんですが、鈴木さんは怒ってませんでしたか?」

「奴の事なんか考えなくていい」

「でも、大事な接待だったのに…」

「それは気にしなくていい。しかし、教訓にしてほしい」

「教訓、ですか?」
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