ツンデレ美女の恋愛事情～新・素敵すぎる上司～

不思議な気持ち

阿部さんはステーキのセットを頼み、私はイタリアンハンバーグのセットを頼んだ。

「さてと…」

そう言って阿部さんは、正面から真っ直ぐに私を見つめ、ひとつ息を吐いた。

その、やや灰色がかった阿部さんの瞳に、私は魂が吸い込まれるんじゃないかと思った。

阿部さんの目って、こんなに綺麗に澄んでたんだ…
どうして今まで気付かなかったんだろう。

「どうした？ 赤い顔して…。風邪でも引いたか？」

「あ、いいえ、大丈夫です」

やだ。私ったら、阿部さんに見つめられて赤面してるんだわ。

どうしよう…

阿部さんに見つめられてると思うと、ドキドキして顔がどんどん熱くなっていく…

「ひゃっ」

恥ずかしくて下を向いていたら、オデコにひんやりとした何かが触れ、思わず変な声を出してしまった。