ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~
その口ぶりだと、阿部さん自身は私の噂には興味はなさそうで、悲しくなってきた。

「だから、家族を安心させたいんです」

「分かった。その交換条件を飲むよ。じゃあ、交渉成立って事で…」


阿部さんの実家は東北のある大きな都市だそうで、幸いな事に私の実家と方向が同じだった。

阿部さんの車で出掛け、まず阿部さんの実家に一泊か二泊し、その帰りに私の実家に寄ってもらう事になった。

私の実家には長居をしたくないので、阿部さんをお母さん達に紹介したら、すぐに帰るつもりだ。


私は由佳里を居酒屋さんに誘い、早速この事を報告した。

予想通り、由佳里は目を真ん丸にして驚いていた。

「すごい事になったね!」

「そう?」

「『そう』って、あの阿部さんと二人でお出かけして、しかもお泊りだよ? すごいじゃない!」
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