ツンデレ美女の恋愛事情～新・素敵すぎる上司～

阿部さんは車のトランクを開け、私が手に提げていた２個のバッグを積んでくれた。

「女性はどうしてこんなに荷物が多いのかね…」

トランクには、阿部さんの物らしいボストンバッグがひとつ入っているだけだった。

「だって、２泊するかもしれないんですよね？ だったらこれくらいにはなっちゃいますよ？」

「はいはい、そうでしょうとも」

「もう、馬鹿にして…」

それにしても、その車はピッカピカで街灯の光を綺麗に反射していた。

「阿部さんの車なんですか？ ピカピカで新車みたいですね？」

「よくぞ聞いてくれたねえ。実は納車仕立ての新車なんだ。コイツで遠乗りしたかったんだよね。本当は電車の方が楽だったんだけど。君には付き合わせちゃって悪かったけどね」