愛しきキミヘ
次の日、仕事が終わるとさゆりを迎えに行った。

今日は送り迎えいらないとメールしていた。


あまり人気のない公園の駐車場に停まった。

二人きりの密室も嫌で外に出た。

「さゆり、俺が言いたい事わかってるよな?」

「わかんない。」

「別れよう。
俺はもうさゆりと一緒にいたくない。」

「だから?」


変に物分かりが良いように、連絡をしなかったのはこれか。

「もう連絡するな。
もうさゆりと会うことはない。」

「さゆりは別れないよ。」

「お前にその気がなくても、俺はもうお前とは一切関わらない。」

「どうして?
さゆり、すっごく尽くしてたのに。」

「自分に酔ってただけだろ。
さっぱり嬉しくなんかなかったよ。
むしろ迷惑だ。」

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