愛しきキミヘ



「健太くん?」


昨日聞いた愛しい声がした。

「やっぱり。」


「何、この女?」

さゆりが希美を凄い目で睨みつけた。

希美を巻き込みたくなかったのに。


「今からひでくんの家に行くところなんだ。」

俺はただ固まってしまった。

さゆりと別れられる自信はあったけど、予想外だった。

こんなみっともない所を希美に見せてしまうなんて。

ちゃんと別れてからまた会いたかったのに。
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