愛しきキミヘ
「でもな…」



「健太くん…?」

俺と巧の声が聞こえてしまったのか、希美がこっちを見る。

「やっぱり帰るよ。」

「えっ?
ちょっ、なんだよ健太!」


「健太くん待って!」


希美の手は、しっかりと俺の手を握った。

「離せって。
課長見てるだろ?」

「ひでくんは関係ないでしょ?」

「関係あるだろ?
俺の上司なんだから。」

「だけど私との事は関係ない。」


「私との関係?
健太、お前なんかあったのかよ。」

「離せよ。
お前見てるとムカつくんだよ。」

「あっ…」
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