愛しきキミヘ
明らかに希美が切ない顔をしていた。

でもムカつくのは当然だろ。

それなのに、どうしてそんなに悲しい顔をするんだ。


「希美、今日は帰ろう。
またお前が傷付くだけだ。」

「だけど…」

「いいんだ。
もう関わるな。」

「うん…
ゴメンね、健太くん。
じゃあね。」


「希美が傷付く?
傷付いたのは俺だよ…」

心の声が出てしまった。


「佐々木。
お前がハンパな時に希美を誘ったから悪いんだ。
それに下心があったのが悪い。
それを希美のせいにするな。
まあ、お前は何も知らないから仕方ないけどな。」
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