愛しきキミヘ
希美は涙を拭いて、笑顔を作った。

「泣いたから目腫れちゃってるかも。
酷い顔なってない?」

「大丈夫だよ。」

大丈夫だよ、希美は可愛いから。

そんな事は言えないけれど。


「健太くんの友達にも謝ってて。
今日せっかくジム来たのに、出来なくて。
あの人いつも腹筋とか凄いんだよ。
たまにチラ見してた!」

空元気なのか、本当なのかわからないが希美は笑った。


チラ見されていた巧に少し嫉妬したけど。

「じゃあね、健太くん。
バイバイ。」

「ばいばい。」


休憩室から出ていく希美を見送った。
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