愛しきキミヘ
「佐々木、おはよう。」

後ろから声をかけられる。

「課長、おはようございます。」


どうやら希美はいないらしい。

会いたくない課長の方には会ってしまうなんて。


「昨日は…」

「希美の話ちゃんと聞いてくれたみたいだな。
礼を言うよ。」


礼って…

また保護者みたいな言い方をして。

腹立たしいものがあったが、もちろん我慢した。

俺はこの男を越えなければならないんだ。


「いえ、お礼だなんて…」

「いや、希美の事ちゃんとわかったなら会わないでほしい。」

は?

何故そんな事を言われなきゃならないんだ。
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