〔完〕あなたと過ごす季節
「えっとね、俺さ名字が“さくら”じゃん。
だからか知らないけど桜が好きなんだ。
でさ、入学式が終わって帰ろうとしたら遠くにきれいな桜の木が見えたから気になってここにきたんだ。」


あ、あたしとほとんど同じ理由だ・・・。

なら、言ってもいいかな?


「実はあたしもなんだ。
帰ろうとしたときに風が強く吹いてね。
花びらがピューって遠くにとんでったんだ。
時間もあることだし、ついてったらおもしろそうだな~っと思って。」

「ふぅん、一緒だね。
でも山崎の方がロマンチックだよ。」

「ひいた?」

「いや。」
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