天悪

「ところで昨日はどうでしたか?」

「なにが?」

「なにがって・・・昨日突然外へ出たではないですか 何かあったのですか?」

ボタンを閉める手を止める

「いや・・・面白いものが見つかったぐらいかな」

「あまりハメを外しすぎないでくださいよ?叱られるのは私なんですから」

「はいはい わぁーってるって」

机にある教科書の山を見てため息が出る

「天使の国では、ため息をすると幸せが逃げるらしいですよ」

「は?何寝ぼけたことをここは地獄だぜ?」

ムペジに向かって悪く笑ってみる

「・・・あなたが主で本当によかった」

俺は 窓に脚をかける

「ちょっ・・・今日もどこかへ行くのですか?」

「あ?悪りぃか?」

「悪いも何も・・・夕方にまでは帰ってくると約束してください」

俺はムペジに指を指す

「俺は悪魔だ 天使のように忠実じゃねぇ お前もそうだろ?」

「・・・あぁ・・・私は誰よりもあなたを・・・って、行ってしまわれたか」

あいつの話を聞いていたらややこしくなるからな・・・途中で放棄するのが一番だ

あと、あいつは以上といっていいほど俺に尽くすからうっとうしいったらありゃしねぇ

相も変わらず空は禍々しい・・・

あの天使はなんで落ちてきたんだ?

そんなことを考えながら俺は森の中を進んでいく

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