小さなシアワセ*



きっと、その辺の道に落ちていても
決して目に止まらないような、
ただの鉄の輪っか。



でもね、
私にとっては
何よりも大切なもの。
お金には換えられないし、
宝石の散りばめられた、
豪華な指輪なんかよりも

この指輪がいいの。

この指輪じゃなきゃ、駄目なの。







あなたが、仕事の合間に
こっそり、私の指に合うように
溶接して、
削って……

汗水たらして
わたしの為に作ってくれた、
この指輪じゃなきゃ、嫌なの。


そんなあなたの想いが
たっくさん詰まった指輪だからこそ
あなたが近くに
感じられる、
あなたの温もりを
感じられる、

魔法のリングなの。



他の人にとっては
ただのガラクタかもしれないけれど
私にとっては
何よりも大切なもの。
私の、一生の宝物。






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