夜中散歩
満月は美しいけれど、いつも私を照らしてくれるけど。

この街に生きてたら、私を照らすのは月なんかじゃない。
人が作ったネオンに照らされて生きていかなくちゃいけない。
私に明るい未来なんて待っている訳がない。

殺人者の私が。
こうやって、あれから2年もの間こんな風に生きてることすら不思議に思えるくらいなのに。
明日、真実が暴かれて捕まってもおかしくはないはず。

明るくしてくれるのは、偽物の光。

どこまで行けばたどり着くのかすら分からない。

大人になればなるほど分かっていく。
幸せには、一生なれない気がする。

会いたい、拓に。




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