夜中散歩
と言っても、私も余裕ばっかりではなかった。
こんなことどうしてやってしまったんだろうという罪悪感。
ただ、私に関わった人はみんなみんな、幸せにはさせたくない。
殺人者の私が一番不幸になるはずなのに。
だからこそ、誰も幸せにはさせたくない。
汚い気持ち、自分はどこまでも汚れきっている。
殺した私が悪いけど、どうしても私は今でも真希さんが許せない。
忘れることも出来ない。だから、自分に真希なんていう名前をつけた。

慌しい気持ちの中で、学校へと着いた。
「満月~!」
席につけばいつものようにシーの声が聞こえる。
返事をしないでいると、「なんか今日元気なくない?」とシーが眉を下げた。
何でも分かっちゃうんだな、この子は。
でも弱音を吐いちゃいけない。

「何でもないよ」と言って、「それよりイブはどうなったの?」と話題転換をした。
シーはというと、思い出したかのようにイブのことを話し始めた。
私の誕生日なんだから私には何も言えないということ、仕事が終わったら速攻電話をしなさいということ。
他にも色々伝えられた。

「満月にとっていい17歳を迎えられるようにあたし頑張っちゃうから!楽しみにしてて!」
なんか私より、シーのほうが盛り上がっちゃってんじゃん。
そう思いつつ、自分のことのように話してくれるシーの話に耳を傾けていた。
自分の気持ちを晴らしてくれるような、そんな気分。
そろそろ冬休み。
真希としても、満月としても一つ年を取る時期がやって来た。


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