夜中散歩
5つ数えたら、行動に移そう。
意外にも自分は落ち着いていた。取り乱したって意味がない。
簡単だよ。自分の出来ることをすればいい。
ただ今は自分のされていることを考えたくなかった。
目を閉じて、数字を数える。
1・・・、2・・・、3・・・、4・・・、5・・・
5を数えたと同時に目を開いて、頭を振りかざし兄の頭にぶつけた。
服の中から温い手が出て頭を押さえる。
手首を掴んだ腕の力に緩みが出て、腕が解放された。
その手で兄を力の限り突き飛ばす。
心臓が破裂してしまうくらい鼓動を打っている。
「最低だよ・・・、こんなことするなんて・・・」
乱れた服を整えると、兄が口を開く。
「実の兄に犯されようとする気持ちってどんな?」
この人は何を言ってるの?
・・・意味が分からない。犯される?誰が?
ドアにもたれ掛かっていた体を起こす。
「いやだ・・・」
私がしたことは無駄だったの?
携帯を開き電話をかけようとする。
『拓』の一文字が画面に出ると、コール音が鳴った。
・・・早く出て、お願い・・・。
声にもならない願いを思い、目を閉じる。
助けて、助けて。助けて。
目から温い涙が落ちる。
「・・・ただいま電話に出ることが出来ません、発信音の後にメッセージを録音してください・・・」
自然と大きな溜め息が出た。
何度も何度も大きく鳴り響く心臓の音を静めるように。
メール画面を開いて拓へとメールを打つ。
『助けて』
その一言に、すべての願いを込めて・・・。
意外にも自分は落ち着いていた。取り乱したって意味がない。
簡単だよ。自分の出来ることをすればいい。
ただ今は自分のされていることを考えたくなかった。
目を閉じて、数字を数える。
1・・・、2・・・、3・・・、4・・・、5・・・
5を数えたと同時に目を開いて、頭を振りかざし兄の頭にぶつけた。
服の中から温い手が出て頭を押さえる。
手首を掴んだ腕の力に緩みが出て、腕が解放された。
その手で兄を力の限り突き飛ばす。
心臓が破裂してしまうくらい鼓動を打っている。
「最低だよ・・・、こんなことするなんて・・・」
乱れた服を整えると、兄が口を開く。
「実の兄に犯されようとする気持ちってどんな?」
この人は何を言ってるの?
・・・意味が分からない。犯される?誰が?
ドアにもたれ掛かっていた体を起こす。
「いやだ・・・」
私がしたことは無駄だったの?
携帯を開き電話をかけようとする。
『拓』の一文字が画面に出ると、コール音が鳴った。
・・・早く出て、お願い・・・。
声にもならない願いを思い、目を閉じる。
助けて、助けて。助けて。
目から温い涙が落ちる。
「・・・ただいま電話に出ることが出来ません、発信音の後にメッセージを録音してください・・・」
自然と大きな溜め息が出た。
何度も何度も大きく鳴り響く心臓の音を静めるように。
メール画面を開いて拓へとメールを打つ。
『助けて』
その一言に、すべての願いを込めて・・・。