夜中散歩
兄が書いていた日記には、私でも驚く内容が書かれていた。

『2000-10-14
バイト終わりが長引き午後十一時帰宅、彼女との約束を破ってしまった。連絡したが返事なし』
『2000.10.16
彼女が他の男と歩いていたと同じサークルの女子から聞いた。俺のせいだろう』
『2000.10.17
彼女に聞いてみたが、違うと一言だけ否定される』
『2000.10.19
本当の事を言えばいいのに。だけど好きだから問い詰められない』
『2000.10.20
バイトも上手く行かない何もかもが分からない』
『2000.10.23
馬鹿みたい、俺』
『2000.10.24
やっぱり彼女は俺のこと何とも思ってないようだ』

『2000.10.25
相手が相手だよ、どうして親父なんだ』
『2000.10.27
久々に実家に帰る。苛ついてしょうがない』
『2000.10.28
満月と話そうとするも避けられる。居場所がない』
『2000.10.29
暇だったから夕方出かけようと誘った。だけど友達と遊ぶからと断られる』
『2000.11.01
親父は何食わぬ顔で俺に話しかける。どういう神経してるのか分からない。殺してやるほど憎い』
『2000.11.02
最近満月の帰りが遅いことに母は頭を抱えている。朝も学校に行かず。結局今日も午後十時帰宅』
『2000.11.03
休みだったため家族で外食。』
『2000.11.04
どうしたらいいんだろう、消えたい』
『2000.11.05
テレビでは毎日のように人が死ぬニュースが流れている。俺が代わりに死ねれば、なんて考えてしまう。どうかしてる』



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