夜中散歩
日記の内容はそれで途絶えている。
「・・・これに出てくる、『彼女』って?」
読み終えた拓が聞く。
「たぶん、さっき会った真希さんだと思う」

「じゃあ『親父』って?」
読んでいたときにも引っかかった『親父』。
内容の節々に出てきて、最後の方では『殺してやりたいほど憎い』とまで書かれている。
「お父さんのことなのかな・・・でもお兄ちゃんはお父さんって呼んでるし」
もっと明確なものを見つけるために、過去の日記を見てみると白い紙が挟まってあった。
光沢のある紙は写真のよう。

写真を見て、思わず口を押さえた。
満月の手に取った写真は床に落ちる。
「満月?」
そう言ってそれを拾って写真を見た。
「・・・これって」
「・・・真希さんと、お父さん」

満月と拓が見た写真は、兄の彼女である真希と父が写る写真。
腕を組んで楽しそうに笑う二人。」
状況が飲み込めない。どうして二人が?
日記に書いてある『親父』は父のことであると解釈した方が、辻褄が合う。
疑惑が確信に変わり、満月の目にはまた涙が溢れた。

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