夜中散歩
「入るぞ」
ノックもせずに部屋へ入ってくる。
「お父さん」
手に持っていた写真を、ポケットへしまう。

「ノックぐらいしてよ」
そう言うが、お父さんは何も言わずにベッドに腰掛ける。

普段なら怒るところだけど、そんな空気にはなれなかった。

「準備できたなら行くぞ」

知っている。父は全てを。
知られているなら、行動するしかない。
ただ時間が過ぎていくのを、見守る訳にはいかない。

自分で行動しなくちゃ。
何もかも始まることはない。

頭でなんて考えられない。
良い方法なんて浮かばない。
罪って何?罰って何?

どんな罪を持って、どんな罰を受けるんだろう。


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