夜中散歩
少し歩いて街を見れば、どこもクリスマスムード一色で。
毎年お決まりの歌が流れイルミネーションが街を飾る。

外に出ても、誰かとすれ違うことはない。

『満月ちゃんは誕生日がこんな日でいいね』

小さい頃、そんな事を言われた事がある。
確か小学校三年生の時の誕生日。
誕生日会に誰を誘っても断られて。
一人だけ来てくれた、同じクラスの男の子。

たった一人でも、すごく嬉しかったのを覚えてる。

14才の誕生日、私は・・・・。

両親から言われた、『満月はいい子だね』
『勉強も運動も頑張って。お父さんとお母さん応援してるからね』

頑張れば、父と母は褒めてくれる。
テストで百点を取れば、二人は喜んでくれた。
頑張ったねって頭を撫でてくれた。

けれど、テストの点数が悪くなったときは、
『どうしてこんなことも出来ないの』と、何度も怒られたりもした。

そのときは思った。
こんなことも出来ない『自分』が悪い。

怒られて当たり前だって、思ってた。


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