夜中散歩
でも次第に思い始めた。
『お父さんとお母さんは私が頑張ってると褒めてくれる』
『いい子で居なくちゃいけない』
そんな思いが重なって、いつの間にか爆発しそうになって。

父と母が思うようないい子にはなれなかった。
だから嫌われたって当然で。

頭の良い兄を可愛がっていても当然だと思った。
近所の人に、私を見せないようにするのだって、当たり前で。
失敗をすると、叩かれるのもきっと当たり前。
みんなみんな、私が悪いんだから。

雨に打たれると同時に、頬に生温い感触が伝う。
どうして自分はこんな思いをしなくちゃいけないのか。
他の子が経験しないような事を、どうしてこんなに。

辛い、苦しい、悲しい。

ならいっそ、終わりにしてしまおうか。
この先ずっと、こんな悲しみが続くのなら。



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