夜中散歩
「誕生日プレゼントは何がいい?あ、そのぐらいでいいよ」
客の煙草に火をつけながら答える。
お酒を注いでいながら思う。こんな高い酒。
「んー、何でもいいですよ、高崎さんの無理のない程度で」
どの客も、話すことは誕生日のことばかり。
誕生日に来られない客は、「おめでとう」とも言ってくれる。
「それを言われると頑張っちゃいたくなるんだよなぁ」
その言葉に笑うと、スタッフがこちらに来た。
そして耳打ちをする。
「そろそろあちらのお客さんにも」
「分かった」と答えると、客は残念そうに言った。
「もう行っちゃうの?せっかく真希ちゃん目当てで来たのに」
「すぐに戻りますから、待っていて下さい」
他の席に着く。この人は誰だっけ。
「真希ちゃん遅いよ~」
この声。少しセンスの悪いネクタイをいつもしている。
高崎さんだ。思い出した。
「すいません高崎さん、お待たせしました」
「ドンペリ、頼んじゃった」
グラスをこちらに見せて笑う。
「私、お酒は飲めないのでごめんなさい」
飲めないというより、飲んじゃいけない。
客の煙草に火をつけながら答える。
お酒を注いでいながら思う。こんな高い酒。
「んー、何でもいいですよ、高崎さんの無理のない程度で」
どの客も、話すことは誕生日のことばかり。
誕生日に来られない客は、「おめでとう」とも言ってくれる。
「それを言われると頑張っちゃいたくなるんだよなぁ」
その言葉に笑うと、スタッフがこちらに来た。
そして耳打ちをする。
「そろそろあちらのお客さんにも」
「分かった」と答えると、客は残念そうに言った。
「もう行っちゃうの?せっかく真希ちゃん目当てで来たのに」
「すぐに戻りますから、待っていて下さい」
他の席に着く。この人は誰だっけ。
「真希ちゃん遅いよ~」
この声。少しセンスの悪いネクタイをいつもしている。
高崎さんだ。思い出した。
「すいません高崎さん、お待たせしました」
「ドンペリ、頼んじゃった」
グラスをこちらに見せて笑う。
「私、お酒は飲めないのでごめんなさい」
飲めないというより、飲んじゃいけない。