◇糖度爆発◇【ケンカ上等☆続編】
芽咲と太陽の雰囲気には入れそうもないし。
「近寄らないで。
アキ、軽い男嫌いなの」
必死に口説く笹倉先輩を、手で振り払う仕草をしながらこちらへ来るアキちゃん。
「竜哉も懲りないな」
それを憐れむように仁が見守っている。
なんだろう、この変な場の空気は。
対話してる組み合わせも多少あるけど、人数が増えて違和感が大きくなった気がする。
「じゃあ、みくる、何か奢るっス」
翼に中途半端に引かれたまま停止状態のあたしに、歩夢は突然そんな話を持ち出すから。
「なんで?」
きょとんとせずには、いられなかった。
すると歩夢は横目に翼を見たあと、耳打ちしてくる。
「年齢詐称してるから、黙っててもらう変わりに。
忘れてるかもだけど、前奢るって約束したし」
あれ?
そうだったっけ?
「冬、芽咲の家に泊まった時に約束したじゃないっスか。
奢れって言ったのみくるのほうっスよ」
うーん‥そんなことがあったような、なかったような。
とりあえず歩夢が覚えてるんだから、きっと約束したんだと思う。