◇糖度爆発◇【ケンカ上等☆続編】
「ごめん、忘れちゃってた」
「やっぱり」
お互い苦笑いしながら、記憶を探る。
芽咲の家にお泊まりか。
そんなに前じゃないのに、ずーっと昔のことみたい。
「移動するならアキも一緒に行く」
屋台を巡ることになって、歩き始めたあたしたちのうしろから慌てた声。
「柊さん行くなら俺も行く」
すかさずそれに続く笹倉先輩。
「笹倉ナンとかは来なくていいわよ。
ね、クロちゃん」
先輩を相手にせず仁へ笑顔を向けるアキちゃん。
アキちゃんが素直に笑顔向けるとか、珍しいな。
でも、それ以上に
「アキちゃん、仁のことクロちゃんって呼んでるの?」
疑問に思い、というか引っかかりすぎて思わず訊いてしまった。
だって、ねぇ。
「そう。
黒崎だから、クロちゃん。
ちなみに白石のほうは、シロちゃん」
「……っく、似合わねぇ」
理由を聞き、がんばって笑いを堪える翼が視界に入る。
うん、それ、確かにあたしも思ったよ。