◇糖度爆発◇【ケンカ上等☆続編】
あたしが迷ってる間に、そう告げてそそくさ行動に移行。
毎回のことなんだけど、アキちゃんの行動力には憧れちゃう。
あたしにも、あれくらいの行動力があったら良かったのにな。
「本当に手のかかるバカップルね、あの二人は───きゃっ」
回れ右をして、ブツブツ文句を言って。
「アキちゃん!?
………あ、」
それは、たぶん周りの人たちからしたら一瞬の出来事。
でも、あたしにとってはすごく遅い時の中で。
笑顔が消えてしまうほど酷な時間。
急いで伸ばしたあたしの手は、不必要だった。
よそ見をして行き交う人とぶつかって、バランスを崩したアキちゃんを
「危ねぇーよ、バカ」
瞬時に支えたのは翼。
ダメだ。
ダメだ、って言い聞かせるのに。
「うっさいわよ。
アキはバカじゃないからね!
今のは、ちょっと歩き出すタイミングを間違えて」
怒りとか、憎しみとか、悲しさとか、苦しさとか。
その感情にぴったり当てはまる言葉はなくて。
ヤダな。
これだけのことなのに、嫉妬してる自分がいる。