◇糖度爆発◇【ケンカ上等☆続編】
《茜 --香気の色彩--》
☆手を伸ばせば
「ちょっ、待って」
「待たない」
抵抗するも、腕を引っ張られて。
「だから、なんでこうなるの」
虚しく前進。
たった今、秋祭り……って言っても屋台が少し出るくらいなんだけど。
夏祭りは棘(イバラ)といろいろあって楽しめなかったから、またみんなで集まろうって。
棘は、あたしがリーダーを務める稲妻(イナズマ)っていう不良グループと対立していたグループ。
力の程度はほとんど変わらなくて、両方恐れられていた。
夏に棘とやり合ってからは、平和な日々が続いてる。
なんていっても、棘のリーダーである高原美弥薇(タカハラ ミヤビ)がいい人だったから。
美弥薇は、あたしの一つ上で空花(クウカ)高校の生徒。
「待ち合わせ場所にいなきゃ、みんな心配するよ」
今回の企画の言い出しっぺは、イベント大好き男の白石太陽(シライシ タイヨウ)。
あたしと同じ陸雷(リクライ)高校の生徒、かつ稲妻メンバーだ。
その提案に乗っかったのが、太陽の彼女の後藤芽咲(ゴトウ メイサ)。
芽咲は海風(ウミカゼ)高校の生徒で、竜巻(タツマキ)のリーダー。
ただ、竜巻は稲妻と合体しちゃったから今秋消滅。