◇糖度爆発◇【ケンカ上等☆続編】
自分のことなんか、わかるわけないよ。
あたしって、周りからどう見えてるんだろう。
「ねぇ、あたしってなに?」
「マジで頭やられ───」
「違うから!」
まったく、仁だけじゃなくて翼まであたしをバカにしてさぁ。
「もういい、あたしはバカだよ」
いっそ反論はあきらめて認めてやるんだから。
「不正解」
むーっ、なにそれ!
「だったら正解教えてよ」
目の前で笑顔のままの翼を、必死で睨んで言い返す。
すると、翼の両手があたしの両肩に乗せられて
「なっ……」
びっくりするくらい近づいてきた笑顔に、ついあたしの体が強張った。
けど、そのまま視界から翼は消えて
「正解は、俺の大切な人」
耳元で優しく囁やれたあと、再び笑顔が視界に戻る。
ドクンと高鳴る鼓動。
ずるい。
耳元でそのセリフはずるい。