◇糖度爆発◇【ケンカ上等☆続編】
なかなかの名案だよね。
ほっとしたのも束の間
「家にもいなかったら?」
残念なことに、提案のせいでさらに芽咲が良からぬ妄想を起こし始めた。
「さすがに家にはいるだろ。
心配なら朝会いに行きゃいいんじゃねぇの?」
「朝会いに行っていなかったらどうしよぉ」
すごく被害妄想が、力を発揮しちゃってるよ。
芽咲の気持ちも、もちろんわかるけどね。
好きな人と突然連絡取れなくなったら不安になるのは当たり前だもん。
どうしたんだろう、とか。
何かあったんじゃないか、とか。
ひょっとしたら自分のせいなんじゃないか、とか。
考えちゃうのは、たぶんあたしも一緒だから。
「太陽が朝家にいないわけねぇだろ。
朝遅くまで寝てんのは、アイツの楽しみの一つだし」
「うん、まぁ…そうだよねぇ」
けど、太陽が可哀想に思えてくるのはなぜだろう。
言われてみれば、早起きするのが苦手そうだけど。
学校には遅刻しないで、ちゃんと来てるよ?
「うーん、こうなったら仕方ないかぁ。
もうあきらめるよ。
信じて連絡待ってみる」
ため息をついて、すぐに考えを転換させた芽咲。
「太陽に限って、あるわけないもんね」
最後に小さく聞こえた言葉の意味が、あたしにはよくわからなかった。