◇糖度爆発◇【ケンカ上等☆続編】
そこまで言って、口を噤んでしまう。
「どうまずいの?」
「どうって聞かれても……」
さっきから全然会話が成り立ってない。
成り立っていたとしても、どこかに曖昧な箇所がある。
どうしたら、太陽は真実を教えてくれるかな?
あたしじゃ、どうやっても無理なのかな?
ここ最近、いつものように太陽はため息ばかりだし。
上の空の時が、いっぱいあるし。
今日はあたしが引き止めたから、残ってるけど。
もし引き止めてなかったら、今頃帰っちゃってたかもしれない。
「ちょっ、太陽どこ行くの」
あたしがそばにいたって動くんだから。
「ごめん、逃走劇してくる」
「え?太陽!?」
待って、の呼びかけは意味なし。
ダッシュで教室を出て行ったその素早さ、ちょっと尊敬しちゃう。
って、違う違う!
太陽を追いかけなきゃ。
きっと、見つけた先に何かがあるはず。
「おい、みくる、太陽は───」
「翼、あたしも逃走劇してくるね!」
「は?」
こっちへ歩いてくる翼を軽く叩いて、すり抜ける。
「あたしに任せといてっ」