◇糖度爆発◇【ケンカ上等☆続編】



同じくして、足も手も、息さえも止まったんじゃないかと思う。


だって───‥


「好き」


まるでドラマのワンシーンだ。

近づく姿が影になって、淡くて甘くて。



電気のついていない薄暗い教室の中、男女が二人。

女の子が想いを告げると、精一杯背伸びして男の子の唇へと口づけた。





なななななななっ…!!



キス!?

どうしよう、見ちゃいけないものを見ちゃった!


慌てて引き返そうと回れ右をすれば、自らの足に足を引っかけて躓いて。

ヤバい、バレた。


転倒する音に気づいた二人が、あたしを見て目を丸くしている。

だけど目を丸く、いや、目が点になったのはこっちだ。


瞳がクリッと真ん丸で、すごく可愛い容姿の女の子。

身長は、あたしより幾分低い。

今年同じクラスになった学年のアイドル。



って、そっちじゃないの!


「え、あ、な、だ.大丈夫?」

焦りを顔に浮かべて、あたしが転んだのを心配してくれる。

対して、痛さに涙目になりながら睨みつけてやった。



「大丈夫じゃない!
何やってんの、太陽!?」



キス見ちゃうくらい、がんばれば忘れられるよ。

だけど、なんで……っなんで相手が太陽なの!?






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