◇糖度爆発◇【ケンカ上等☆続編】
芽咲は!?
芽咲はどうなるの!?
半ば他の誰よりパニック状態のあたしは、次に何を言えばいいかを見失った。
そこに近寄ってきたのは、太陽じゃない。
女の子のほう。
「木崎さん、大丈夫?」
優しく笑って差し伸べられる手。
あまりに魅力的すぎる笑顔に、同性のあたしでさえ顔が熱くなる。
確か、名前は───
「皆津、何やってんだよ」
そうだ、皆津沙菜(ミナヅ サナ)ちゃん。
ちょっと不機嫌な声に顔をあげれば、あたしの横で翼が沙菜ちゃんの腕を掴んでいた。
それから、投げるように腕を放すと、あたしへと差し出された手のひら。
「おまえ、ドジのスキル上がったんじゃねぇの?」
からかうように言われて、恥ずかしくて目を伏せながら手を取った。
引っ張って立ち上がらせてくれると、沙菜ちゃんのおでこに人差し指を当てて。
「みくるに触んじゃねぇよ」
気持ちは嬉しいんだけど、なんでだろう。
あからさまに、翼が沙菜ちゃんを嫌ってる……そんな気がしてならない。
口調が、どこか怖かった。
翼と沙菜ちゃんの隙間から、見えたのは壁に寄りかかって俯いている太陽の姿。
翼の横をするりと通り抜けて、太陽の目の前へ。