◇糖度爆発◇【ケンカ上等☆続編】
覗き込んでみるけど、嫌がるように顔を背けられてしまう。
「太陽、」
呼びかけに返事はない。
変わりに答えたのは、
「わ.私っ、帰らなきゃ!
木崎さん、バイバイ」
手を振って、立ち去り際に翼を睨んだ沙菜ちゃんだった。
ため息をついて、翼が入り口から教室の中へ入ってくる。
なん…なんだろう。
「ん?」
あたしの視線に気づいたらしく、理由を促すから
「ううん、なんでもない」
左右に振った首。
翼と沙菜ちゃんって、どういう関係なの?
お互いに、冷たい態度だったけど。
「おい太陽、なに黙ってんだよ?」
拳で軽く太陽の肩を叩く翼。
対して、顔をあげてちらっとあたしを見た太陽。
「え、あたし?」
何かを訴えかけてくる眼差しに、どうすればいいか混乱。
これは、助けてってことなの?
「太陽……」
わけもなく口を開く。
すると突然、太陽が両肩を強く掴んできた。
「事情は話すから、芽咲には黙っといてお願い!」