◇糖度爆発◇【ケンカ上等☆続編】
泣き出しそうな、混乱しているような瞳。
陽に照らされて、知らぬ間に伸びた金色の髪がキラキラしている。
「オレ……どうしたらいいか、わかんね〜」
うなだれて言う太陽は、両手をあたしの背中へと回す。
その様子に、翼はあからさまなため息。
「えっと、太陽、離れよう」
抱きしめられてることに戸惑いつつ、そっと引き剥がしていく。
「とりあえず、事情を聞かせて?」
ほんの少し見上げて、太陽が話し出すきっかけをつくった。
教室のドアを閉めて、開けた窓から外を眺める。
………綺麗。
これほどにないくらい、グラデーションを飾った空は広がっていた。
音を立てて椅子を出すと、翼は太陽のほうに向かって座る。
太陽も、机に肘をついて椅子に腰を下ろす。
窓際から見る二人は、端から見れば変わらない。
いつも通りの雰囲気。
三人で独占する教室だけが、際立って異様な空気を生み出しているみたい。
「告られたんだ……」
しんと静まったその場に、太陽の躊躇いがちな声が落とされた。