◇糖度爆発◇【ケンカ上等☆続編】
もともと、事前に決めておいた集合場所でみんなを待ってるはずだったのに。
だから、遅れないようにって早めに家を出て。
あたし、どこで間違っちゃったんだろ。
なんで両手に先輩なの?
「ねぇ、戻ろ?
待ち合わせ場所、きっとみんな集まってるよ」
だんだん不安になってきた。
このまま二人といていいのか。
ずいぶん歩いてきちゃったけど、心配してないかな。
待ち合わせの時間、とっくに過ぎちゃってるし。
みんなに迷惑かかっちゃう。
「木崎さん、甘いの好き?」
変わらず手を引きながら、笑顔を浮かべて尋ねられる。
「好き…は、好きですけど、」
「じゃあクレープ食べない?」
「いや、今はそれより、みんなのとこに───」
困った。
非常に困った。
笹倉先輩と、こんなのんびり会話してる場合じゃない。
つい引きつった笑顔を先輩に向けた時、両側からではなく真うしろから力が働いて。
そのまま背中から倒れるあたしを、誰かが抱き留めた。