for you
背中から伝わる体温が心地良かった。
ずっとこのままおぶさっていたかった。
そんなはた迷惑なことを登校中ずっと考えてた。
でもそれはやはり無理な話で。
「じゃあね、保健室の先生、今いないみたいだけど薬もらって飲んでおきなよ」
保健室に連れてきてもらって、椅子におろされた。
「はい、あの…本当にありがとうございました」
「いいよ、いいよ」
その人は笑顔でそう言う。
「あのっ!名前…なんて言うんですか?」
もうすでにその人は保健室から出ていきそうになっていた。
あたしは咄嗟に聞いた。