for you
「いないよお、この学校にそんなレベル高い人。
あかり、夢でも見たんじゃないの?」
「確かにいた!!」
昨日の詳細を梓に伝え、さらに聞いてもこの返事。
昨日のことは夢でもないし、絶対に現実。
なのに梓はそんな人知らない、と言う。
でも、梓が知らないだけかもしんないね。
だからあの人はあたしが創り上げた幻じゃない。
うん、絶対そうだ。
「梓、わかったよ、あたし自分で見つけるから」
「なにそれー、まるであたしが何も知らないやつみたいじゃない」
「そんなこと言ってないよ、でも確かにいたんだから!あたし絶対見つけるもん」
「…まあがんばって見つけなよ」
「うん!!」
梓はあたしを呆れたような目で見ていた。