for you
なんであの人がここにいるのか、
先輩ではなかったのか、
そんなのは
どうでもよかった。
見つけられた。
それがもうどんなに嬉しかったか。
一気に視界が、
あの人の周りだけ
華やいだ。
教室に着いてから
約10分。
未だに中に入れずにいるあたしに
後ろから声がかかる。
「あかりなにやってんの?入らないの?」
「梓!ちょっといたの!あの保健室の人!」
そこには先に行ったと思った梓がいた。