for you
「う~ん、そうだな~」
梓は口の中でチョコを転がすだけで
中々おいしいか言ってくれない。
「おいしい…よね?」
そうでしょ?という目で
梓を見る。
そして
「うん、あかりにしては上出来!!」
と梓が優しい笑顔で言ってくれた。
「ほんと!?」
「うん、おいしいよ~、
あたしもまさかあかりがこんなに
おいしく作るとは思わなかった」
微妙にヒドイ…
でも目の前の梓は次々と
あたしが作ったチョコを口の中へと
入れていく。
それを見て、
あ、本当においしいって思ってくれるんだ。
って思った。
これで自信がついた。
梓お墨付きの
あたしの手作りチョコ。
味に間違いはない!!
あとは拓也に渡せるかってだけ。
って、これが一番の
問題なんだけど…