for you
「えっ!?あかり!?」
「やめる、チョコ渡すの」
驚きの声を出す梓に
あたしはもう一度言った。
「なんで?せっかく頑張って作ったんじゃん。拓也に言われたことなんて気にしちゃダメ」
……きっと梓のこの言葉はあたしを慰めるため。
あたしのために言ってくれた。
でも、
「拓也に……、好きな人に言われたんだよ?
まずそうだって、
いらないって」
「…………」
「無理だよ……」
もうすでに笑顔になって
他の男子と話してる拓也。
あたしのことなんて
全然気にしてない。