for you
「好きな子……いるの?」
声が震える。
喉が、
目頭が熱くなる。
「ああ」
拓也はあたしが告白しようとしていること、
気づいたのかな。
だから最初にクギ刺したんだ。
友達に、
しかも喧嘩友達に告白なんてされたらたまんないもんね。
そっか。
そっかぁ……。
「……そうなんだ!なになに〜?その子にはチョコもらったのぉ?」
無駄に明るい声。
笑顔を顔に貼り付けて話すあたしはなんてミジメなんだろう。