for you
「え?チョコって…」
なんのこと?
どういうこと?
もしかして…
「義理チョコでも…ほしい…とか?」
そういった途端、さっき拓也が現れた時止まった涙がまた溢れてきた。
なんでそんなこというの?
本当に、さっさと出て行ってほしい…。
「んなわけねぇだろ…
お前が…好きな子んとこ行けっていうから…
チョコ…もらいに行けっていうから…
だからお前んとこにもらいに来たんだよ!!」
途切れ途切れに、でも最後、半ば投げやり的に話す拓也の顔はもう真っ赤だ。
「………」
「ちょっと驚かしてやろうと思って、教室出て、また入ったらお前泣いてるし…
意味わかんねぇよ」