メランボス
主――!
気づいても遅く。
アクタイオンの血を浴びたメラはちょこんとやり場なくその場に座り込みました。
主が死んだ、死んだ、死んだ。
誰のせい?
思うたびにメラの目から涙がこぼれ落ち、その日森の中ではメラの遠吠えがつきませんでした。
「オオォォン」
一日がすぎ、
「オーン」
二日すぎ、
「オーン、オォン」
三日すぎ。
「オオォォン――」
喉をからした四日目。
飲まず食わずのメラも限界がやってきたようです。
死んだ主の横に並び、体を丸めて目をつむりました。
メラはそのまま息を引き取るはずでしたが。
「おお、なんと可哀想なこいぬよ」
現れた神様(ゼウス)が再びメラに命の灯を宿しました。