グラスの水
「最近ちょっと冷たい気がするんだよね~
2人で遊ぼうって言っても断られることがあって~
俺、なんかしたかなぁ??」
話を聞きながら思い出してみても、別に知香は雄都のことを嫌いになったりとかはしないと思う。
知香はいつも雄都の話をしているときは楽しそうで、
時々照れた表情を混ぜると、すごくかわいいなぁってうらやましく思うくらいだ。
知香の話には、雄都に対する好きって気持ちが溢れてる。
「って言うより、俺、最近ちょっと思うんだけど、
俺って本当に知香のこと好きなのかな?」
突然わけのわからないことを言い出したので、びっくりした。
「は?なに言っての。
遊ぼうって誘ったりしてんのに、なんで好きかどうか悩んでんのよ。」
雄都は深々と語りだした。
「なんか、ずっとそばにあるものに慣れちゃった感じっつーか。
俺が求めてんのはこういうのなのかなって。」
なんか奥が深い考え方だなって思ったけど、
答えるのが面倒になってきたので、
「深く考えすぎず、もっと自分の気持ちのままにストレートに行動してみたら。
なんかわかってくるんじゃない。」
適当にそう言ってみた。
でも、雄都みたいな人にそう言ってしまったのがいけなかったみたいだ。